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Arikaina 2025/5 自然博物館の検討委員会が提言
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老朽化が課題となっており、これまでにも移転が取りざたされてきた海南市船尾の県立自然博物館(以下博物館)。昨年11月、県の教育委員会により博物館の今後について考える検討委員会が立ち上げられ、今年3月、委員会での議論が提言としてまとめられました。提言は博物館は移転せずに現在の場所で高層階に増築し、別の場所で収蔵庫を整備する、といった内容になっています。
3階建以上に増築し、
避難場所としても機能する建物に
自然博物館は1983年にオープン。開館以来40年以上が経過しており、提言の中では「施設の故障が多発しているため、修繕に要する費用が年々増加している」とされています。また海に面しているため、地震・津波への備えも課題となっています。
さらに長年の活動により、現在博物館が収蔵する資料は実に約62万点にものぼるとのこと。このため収蔵庫の不足も大きな課題となっており、現在は周辺の倉庫や学校施設を借りるなどして保管しているとのことです。ただ専門の収蔵庫ではないため、温度管理や害虫予防などに問題があるとしています。
検討委員会には、博物館の前館長である高須英樹さんなど6名が参加。3月にまとめられた提言では、現在の敷地にはもともと45メートルの杭が打ち込まれており、地震による建物倒壊の恐れは低いとしています。その上で津波への備えとして、現在2階建の建物を3階建以上に増築。高層階にすることで、災害時には地域の避難場所としても利用できるようにすることを提案しています。また収蔵物は現在のように館外でも分散保管するべきだとし、館外の保管場所の環境を整えるべきだとしています。
現在も年間10万人以上が来館
人気の施設を持続できるか
提言によると、博物館は現在も年間10万人以上の来館者数を安定してキープ。一方で施設の老朽化は長年の課題となっており、過去には海南市の内陸部への移転が取りざたされたこともありました。岸本前知事は一昨年、記者会見で「施設そのものが必要かどうかもふくめて」と発言し、そもそも博物館を存続するのかどうかという点から検討する方針を示していました。
県教育委員会によると、今後、今回の委員会による提言を知事にあげる予定。ただ博物館を具体的にどうしていくかは、まだ全く未定とのことです。
提言の中では建物のことだけでなく、教育活動やさまざまなイベントなど、長年に渡る博物館の活動についても記載。親子三世代にわたって博物館に通う人やリピーターも一定数存在しており、「現在及び今後において県の公共施設としては大変有用性がある施設であると考えられる」としています。
参考=和歌山県立自然博物館検討委員会「和歌山県立自然博物館の今後のあり方に関する提言」(https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500100/d00220089_d/fil/teigen.pdf)/Arikaina 2025/4「現在の建物をリニューアル?県立自然博物館の検討委員会が終了[1]」(https://arikaina.com/_article/202504/nature-museum-1.html)
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