Arikainaメールマガジン 2025/4号
皆様こんにちは、Arikaina発行人です。
今月は以下のような記事を掲載しています。
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▼県、予算編成のために基金をとり崩し 知事「尋常じゃない状況」
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▼有田から、めざせJリーグ!昨年発足の「FC KISHU」 いよいよトップチームが始動
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▼現在の建物をリニューアル?県立自然博物館の検討委員会が終了
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▼1日6000円を補助 紀美野町が移動販売事業者を募集
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▼ほか記事一覧
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メルマガ読者の皆さんこんにちは、Arikaina発行人です。
すっかり春めいて…というか、ここ最近は急激に暑いぐらいになっています。まあ私は寒暖差より、例年通り?花粉でやられていますが(泣)
今月は県の予算編成のことで、大きく記事にしました。
もともと2年前に「財政危機警報」が出たときは、このままでは今年度('25年度)には基金が枯渇するとしていました。で、記事にもしましたように昨年度は基金をすごく増やしてて良かったのですが、今年度は一転とり崩すことになり、仁坂前知事時代と大して変わらない蓄えになってしまいました。
まあ知事が仰ってたように、物価高や人件費の上昇はそりゃあるのかもしれません。しかし物価上昇は去年から突然はじまったわけではありませんし、そもそも2年前に「財政危機警報」を出していたわけですから、この2年間どうだったんだ、と言われても仕方ないと思います。
知事は元大蔵省の官僚ですし、今でも県庁におられるのかどうか分かりませんが、「財政危機警報」のときの計算したのも財務省から来た出向されてきた方でしたので、たしかにプロの方が「危機」と判断して警報を出されたのだと思います。ど素人がつっこむのも何ですが、しかしそんだけ悪いのに、翌年は過去最大、今年は過去3番目と、なぜ予算の規模が大きくなっているのでしょうか?
普通に考えたらこのままじゃ財政やばいとなったら、支出を切りつめて、かつ収入を増やすことを考えるものだと思います。知事がことあるごとにふれている山田方谷さんも、高梁市のホームページをみますと、まさにそういうことをやってたみたいです。
しかし警報を出しながら予算の規模を大きくし、今年は基金をとり崩したということでは、一体どうなってんのか?という気がしてきます。
記事にした3月議会の玄素議員の質問にもあったのですが、国土強靭化の補正予算がかなり減少しており、この辺でやりくりしているのかと仰ってまして、まあ素人には分からんところでいろいろ工夫はされてるのかもしれません。さんざんやりくりしてそれでも赤字になりました、むしろやってなかったらもっとひどい赤字になってます、みたいなことなのかもしれません。
なんか各部署にシーリング(予算の上限)をかけたりもしてたみたいで、去年基金をかなり増やすことができたのはおそらくそういった施策の効果ではないかと思いますが、しかし今年すぐにとり崩してしまうのでは、結果的に根本的な対策にはなってなかった、と言わざるを得ないでしょう。物価上昇にしろ人件費の高騰にしろ、別に去年から急にはじまったことではないわけですし。
考えれてみれば現状は2年前に出した警報の通り、つまり「このまま何もしなければ危機になる」というのが当たって「しまって」いる、ということじゃないでしょうか。つまり2年前の「このまま」から大して変わり映えしていない、有効な対策を打てていないということを、自ら証明しているように見えなくもありません。
とにかく今のまま基金、つまり貯金が無くなりますと、まったく予算に余裕のない状況になってしまいます。記事にも書きましたが3月の議会で知事は「未来への投資をしなければジリ貧になる」と言っているのですが、貯金もないとなるともはやロクに投資もできず、まさにジリ貧になっていくのではないでしょうか。
特に不思議なのが、そんだけやばいやばい言ってるのに職員の給与、つまり自分たちの懐は据置きどころか上げてて、まったく危機っぽくないことです。それどころか、この前も休職した職員の仕事を手伝ったら手当を出すと発表してますし、また人件費は増えるんじゃないでしょうか。
私は旧下津町出身ですが、年配の方ならご記憶かもしれませんが、私が子供のころ、下津町役場では30億円公金横領事件というのが起こりました。かれこれ半世紀前の30億円ですから、相当インパクトあったはずです。
あとでニュースとかで見たところでは、事件の後、町役場ではボールペン1本にいたるまでケチケチしながらやってたそうで、というか今から考えますと、おそらくほんとにそれぐらいやらないとやってけないぐらい、ほんとにお金なかったんじゃないかと思います。
今の県庁もこのままでは危機になると言ってるわりには、それまでとさほど変わっていないように見えます。知事は山田方谷の「歳出カットや増税で財政再建はできない」という言葉を出してるところからみても、歳出削減にはあまり積極的ではないようです。
知事はこの山田方谷の話を議会とか記者会見とかで頻繁に持ち出しているのですが、記事にも書きましたように、ご本人は財政再建にあたって自身の給与も減らし、質素な生活をされていたようです。まあ、当然と言えば当然じゃないでしょうか。
玄素議員も3月の質問の中でこの話を持ち出して、ChatGPTに聞いてみたところ、'80年代のイギリスやその後はカナダなど、歳出カットで財政再建した例はあると答えてきたとのことです。ちなみに私もいろんなAIさんに「自治体が財政再建するためには、歳出カットが必要でしょうか?」と聞いてみたところ、ChatGPTは「必ずしも唯一の方法ではない」、Geminiは「重要な選択肢の一つ」、perplexityは「重要な手段の一つ」、Claudeは「一つの選択肢だが、必ずしも唯一の方法ではない」、Feloは「重要な手段の一つ」みたいな回答でした。
しかもこれまで「やりくりで何とかする」とずっと仰ってたわけですが、記事にもしましたように全体の予算額からしたら1%の金額も捻出できていないわけですから、その「やりくり」ってどういう「やりくり」なのか、という気もしてきます。
今回の記事を書くにあたって、あらためてこの3年間、つまり財政危機警報が出てからの県の予算の概要を見てみたのですが、一番大きいのが人件費と補助費です。補助費というのは、要は市町村とかにいろんなことで配ってるお金ということと思われます。
この2つの合計が、今年ですとだいたい2,800億ぐらいです。もしここから100億円捻出するのであれば、4%ほど削減すればいいことになります。つまり人件費と市町村に配ってるお金、どちらか、もしくは両方で2%ずつとかで4%削減すればいいわけです。
普通に考えたら「やりくり」って要はこういうことじゃないかと思うのですが、今回はこういうことはせず、基金からとり崩して対処してるわけです。実際にこんな何千億円とかのお金あつかったことがない私が言うのも何ですが、できないもんなのかな?という気がします。
で何でこういうことができないのかと考えますと、要はもう「削減できない」ものばっかりになってしまってて、つまり内部ではかなり実質的な硬直化が進んでおり、1%も捻出できなくなってるのでは、という気がしてくるわけです。
もしそうだとしたら財政状態を改善するには、よっぽど収入(歳入)が上がることがないかぎり、その「削減できない」とされているところにメスを入れる必要があるはずです。が、どうも知事の言う「やりくり」ではそういうことはされておらず、先述の山田方谷の言葉の話からしましても、あまりそういうことをしようともされていないのでは、という気がしてくるわけです。
今、県が進めている白浜空港にしてもSAFにしても、それだけで急激に税収増が見込めるとかではないわけです。玄素議員はご自身で会社もされているそうなのですが、3月の議会でも給与の削減を呼びかけてました。まあ必ずしも給与でなくても、どこかで大胆に削減しなくては、ますます「あの警報は何だったのか」になっていくと思います。
と言うわけで、今月はこれぐらいにしておきます。私も山田方谷は知事がとり上げるまで存じ上げなかったのですが、同じく幕末に藩政を立て直した人物として、薩摩藩の調所広郷(ずしょ・ひろさと)という人がいます。名前は聞き及びがなくても、何百万両という借金を踏み倒した人物と言えば、なんか聞いたことあるって方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
当時薩摩藩は凄まじい借金を抱えていたそうなのですが、この調所さんはその借金を250年払いにした、まあ実質踏み倒したわけです。史実かどうか分かりませんが、私が子どもの頃に呼んだマンガでは、借金とりを前に刀を置いて仰向けになって腹を出し、「返さないとは言ってない。文句があるならこの調所を好きにしてくだされ」というシーンが描かれていました(笑)
で、これで支出を減らすと同時に、収入を増やすために清と密貿易を行い、特に奄美大島の人たちが大変だったみたいですが、砂糖の専売制を強化して税金を厳しくし、それで財政を立て直したとのことです。
まあそんなこんなで分かりますように、ネットで調べますといまいちな評判の方みたいですが、ただ実際にほんとにひどくなった財政立て直すとかなったら、これぐらい強引なやり方が必要になるのかもしれません。
そしてこの財政立て直しがあり薩摩藩が裕福になったからこそ、後の明治維新で薩摩藩が主導的な役割を果たせたのではないか、という評価も一部ではあるようです。岸本知事はよく「将来のために投資をしないわけにはいかない」みたいな言い方をよくされているのですが、考えてみれば借金を減らすとか残さない、要は将来の負担を減らすことも、立派な投資なのではないでしょうか。
藩財政を再建した調所広郷ですが、最後は密貿易のことを幕府に追求されて自殺したと言われています。この辺については諸説あるみたいですが、まあ、あんまり恵まれた晩年ではなかったようです。ネットでは山田方谷はもうほんとに聖人みたいに評価されており、実際高潔な方だったんじゃないかと思いますが、個人的にはこの調所さんの方が、なんか人間臭くて興味を持ってしまう発行人でした。ではまた来月〜
※次号は5月10日発行です。
有田・海南のフリーペーパー Arikaina
発行 内河将史
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〒649-0111 和歌山県海南市下津町方187-10
参考=
和歌山県財政の現状と課題 ~財政見直し元年~ : 財務省
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202303/202303h.html
紀州名物「和歌山ラーメン」を味わう : 財務省
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202212/202212d.html
藩政改革 - 高梁市公式ホームページ
https://www.city.takahashi.lg.jp/site/yamada-hokoku-museum/hannsei-kaikaku.html
和歌山県議会 令和7年3月5日(水) 玄素彰人(自由民主党県議団)
https://kengikai-tv.pref.wakayama.lg.jp/data1SMP/20250305193636/vod.m3u8
知事記者会見 令和5年10月10日 | 和歌山県
https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/press/05/10/20231010.html
県職員の給与引き上げ勧告 3年連続 /和歌山 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20241012/ddl/k30/010/214000c
休業カバーした職員に手当 和歌山県が4月から導入:紀伊民報AGARA|和歌山県のニュースサイト
https://www.agara.co.jp/article/477289
調所広郷銅像 | 観光スポット | 【公式】鹿児島市の観光・旅行情報サイト|かごしま市観光ナビ
https://www.kagoshima-yokanavi.jp/spot/10160
鹿児島県/調所広郷の財政改革
https://www.pref.kagoshima.jp/ab23/pr/gaiyou/rekishi/tyuusei/zusyo.html
久留米大学 経済社会研究 第58巻 第 1 ・ 2 合併号(2018年 6 月) 薩摩藩の財政改革と調所広郷 ―島津重豪に重用され,島津斉彬に消された男―
https://kurume.repo.nii.ac.jp/record/455/files/keisya58_1-2_1-19.pdf