Arikaina 2025/9 津波避難、1割程度か[1]
「全員」にはほど遠く

カムチャツカ半島付近の地震 津波で避難指示も…避難した人、対象のおよそ1割程度か[1]


 7月30日、ロシアのカムチャツカ半島付近で発生した巨大地震。和歌山県にも大きな津波が押し寄せる恐れがあるとして、9時40分ごろ〜18時半まで、長時間に渡り津波警報が発令されました。幸い大きな津波は来なかったものの、県内沿岸部では避難指示が発令されました。

 しかし本紙の調べでは、避難指示の対象となった人のうち、実際に避難した人はおよそ1割ほど。避難「指示」であるにも関わらず、実際に避難した人はごく少数に止まりました。専門家は「周りが避難していなくても自分が率先して避難することは重要」と話しています。

※記事の内容は9月6日時点のものです。


7/30の避難指示で対象となった人数と、実際に避難した人の数
和歌山県「令和6年7月30日の津波警報に伴う被害状況等について(第2報)」および各市町への取材より本紙作成
※実避難者数は17:30時点のものです

海南市
対象人数 12,355人
避難所への実避難者数 197人
一時避難場所や自主避難所などをふくめた避難者数(自治体による推定) 最大で1,000人超人

有田市
対象人数 10,589人
避難所への実避難者数 220人
一時避難場所や自主避難所などをふくめた避難者数(自治体による推定) 最大600人程度

湯浅町
対象人数 6,803人
避難所への実避難者数 29人
一時避難場所や自主避難所などをふくめた避難者数(自治体による推定) 約660人

広川町
対象人数 6,328人
避難所への実避難者数 5人
一時避難場所や自主避難所などをふくめた避難者数(自治体による推定) 502人(一時避難場所+避難所)

「レベル4で全員避難」のはずが…
実際は約1割程度

 地震当日、県内ではおおむね9時40分〜お昼ごろに各地で避難指示(警戒レベル4)が発令されました。気象庁では、警戒レベル4は「危険な場所から全員避難」としていますが、先日はそれには遠く及ばない実態でした。

 和歌山大学教授で防災工学などを研究している此松昌彦さんは本紙の取材に、避難する人が少なかった原因について「まず人間には『自分なら大丈夫』『そんなことはありえない』という正常性バイアス、『先入観』というのが備わっています。それは平常時なら問題ないのですが、災害時になると危険な状態になります。普段から津波が怖いと考えてしまうと海に行けなくなり、ストレスを感じることになり生活に支障が出てしまいます。それを避けるために無意識にあるものですが、災害時になると逆に、それが足かせとなり避難しにくくなるということです(此松さん、以下カッコ内同じ)」と話しています。


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