Arikaina 2024/5 梧陵さんはインド攻撃を考えていた!?
梧陵さんはインド攻撃を考えていた!?県立図書館が蔵書をネットで公開

県立図書館で収蔵されている、梧陵さんの蔵書が収められた箱('19年撮影)

 「稲むらの火」の故事で知られる、広川町出身の実業家であり政治家の浜口梧陵(ごりょう、以下梧陵さん)。江戸時代、津波で壊滅的な被害を受けた広村(現在の広川町)の復興に尽力し、のちに明治新政府の駅逓頭(えきていのかみ=のちの郵政大臣)や、和歌山県議会の初代議長をつとめました。地元では今も親しみを込めて、「梧陵さん」とよく呼ばれています。

 梧陵さんは読書家でもあり、膨大な蔵書を残しました。県立図書館は3月、この膨大な蔵書の一部から貴重なものをデジタル化して同館のサイトで公開。一部の書籍には、梧陵さんのものと見られる書き込みも残されています。

 サイトではデジタル化された蔵書のほか、解説資料('22年に県立博物館で開催された講座で使われたもの)も公開されています。それによると本の書き込みから、当時イギリスに支配されていたインドへの攻撃を梧陵さんが検討していたとみられるとのことです。

 書き込みがあったのは中国の地理書「海国図志」。この本の中ではもともと著者がインドを攻撃する方法を解説していますが、梧陵さんはそのページに、本の解説とは違う独自の作戦を書き込んでいます。それによると、梧陵さんは本の中で解説されている作戦ではミャンマーの中心部であるアヴァでミャンマーの人たちに抵抗を受けるだろうから、アッサムの北からカルカッタの背後に出て、チベットで船を製造し、川伝いに下れば勢いをつけてインドに攻め込むことができるーーなどと、かなり具体的な作戦を書き込んでいます。

 資料を執筆した県立図書館の松本泰明さんによると、インドがイギリスに支配されている中で、どうすれば挽回してアジア人の手にとり戻すことができるかを考えていたのではないかとのこと。梧陵さんの蔵書にはほかにも、ライフル銃の使い方の解説書である「雷銃操法」や、イギリスの戦術書「陸軍士官必携」など、軍事的な分野の書物も数多く残されているとのことです。

 同資料によると、現在確認されている梧陵さんの蔵書は総冊数5705冊。江戸時代では大名家にも匹敵するような蔵書数であり、個人としては破格のものとのことです。梧陵さんの蔵書は「濱口梧陵文庫」として県立図書館に収蔵されており、松本さんによると今回公開されたもの以外にも、美術的に貴重な本も多く残されていることです。

▽公開ページ
和歌山県立図書館 デジタルアーカイブ「濱口梧陵文庫」
https://www.lib.wakayama-c.ed.jp/digitalarchive/cat92/

参考=稲むらの火の館「資料室 【濱口梧陵】」(https://www.town.hirogawa.wakayama.jp/inamuranohi/siryo_goryo.html)/和歌山県立図書館 デジタルアーカイブ「濱口梧陵文庫」(https://www.lib.wakayama-c.ed.jp/digitalarchive/cat92/)


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