Arikaina 2024/5 「ファミール産院ありだ」オープン
「近いに越したことはないんです」

"有田でお産"この春からも 「ファミール産院ありだ」オープン[3]


毎日10キロのランニング
月に50人を担当したことも

 病院に勤めるのではなく個人で開業すれば、『医師の働き方改革』にとらわれずに働くことができます。ただし産科医はもちろん、平野さんただ一人です。現在51歳の平野さんですが、「毎日、10キロほどランニングしています。自分では、60歳までは病気しない強い確信があります(笑)」とのことです。

 4月のオープン以来、1か月で7人の赤ちゃんが産まれたという「ファミール産院ありだ」。ただ目下の課題は、『有田でお産ができる』ことをもっと知ってもらうこと、とのことです。「有田市立病院にいたころも、そもそも市立病院でお産ができることを知らない方もいらっしゃったんです。広島にいたころは、1か月で50人のペースでした」平野さんは有田市で開かれたマラソン大会にも参加し、走りつつ産院をアピールしたとのことです。

平野開士さん

奨学金に産救車
地域のお産を守る取り組み

 平野さんはおととし、有田地方の人を対象に、助産師を志望する人に自費で奨学金を出す制度をはじめました。10年間で18人の助産師を育成することを目標としており、今年もすでに応募が来ているとのことです。「医師ですと、大学などに所属すればそこの人事で動かないといけなくなります。助産師なら、基本的に自分の好きなところで勤務できます」

 この奨学金のことを知った個人の方から、平野さんに巨額の支援の申し出もあったそうです。「丁重にお断りしました。自分で全部責任をとる形にしたかったんです。たとえば『ほかの地域を追加してほしい』ですとか、何か条件を追加されたらと思ったので」平野さんの制度では、対象はあくまで有田地方の人。ただし助産師としてどこで働くかは、完全に本人に任せています。「その人にとって必要な場所、というのを限定するわけにはいきません。ただ自由に選ぶ中で有田で働きたいという方がいれば、その時はいつでもウェルカムです」

 ほかにも平野さんは、妊婦さん専用の救急車「産救車」を有田市に提案。現在、有田地方ではマタニティマークを付けた産救車を呼ぶことができるようになっています。「たとえば陣痛で、病院に行きたいけれども子どもを連れていけなくて、旦那さんを待つ。どんどん痛くなるけど、呼べない。待ち続けて、結局、自宅や車で産まれる。そういうことにならないためにも、産救車を活用してほしい」

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