Arikaina 2021/3 「秘書が会食」報道に議員沈黙
自粛求められる中、何軒もはしご?
「和歌山の国会議員秘書が、夜遅くまで会食」文春の報道に鶴保・門の両議員、沈黙

 1月28日発売の週刊文春(以下文春)が報じた、「和歌山の国会議員秘書が夜遅くまで会食」という記事。しかし大手紙はなぜか、この問題についてほぼ報じませんでした。

一方同じころ、永田町では国会議員が夜遅くまで会食していたことも分かり、こちらは大手紙も続々報道。辞職する議員も出ています。

和歌山市畑屋敷にある門議員の事務所(下)と、2月に移転したばかりの、和歌山市黒田にある鶴保議員の事務所が入る建物

大手紙はほぼ報道せず

 週刊文春は1月28日発売号で、和歌山県選出の鶴保庸介参議院議員と、同じく和歌山県選出の門博文衆議院議員、両議員の秘書3名が、1月8日に和歌山市でバーなどを夜遅くまでハシゴしていたと報道。

鶴保議員の秘書の1人は、普段は東京勤務であるとされています。会食の後日、秘書たちのコロナ感染が判明するとともに、会食した店からクラスターが発生したとしています。

 一方同じころには、自民党や公明党の国会議員らが緊急事態宣言中にクラブで会食していた"夜の銀座クラブ問題"も発覚。新聞各紙はこぞってこの問題をとり上げましたが、なぜか秘書の会食については沈黙。

週刊文春が発売された前後、1月26日〜2月7日のいわゆる4大紙(読売・朝日・毎日・産経)の和歌山発行分を本紙で調べたところ、この問題を報じた記事はゼロ。

"夜の銀座クラブ問題"の国会議員たちはその後、相次いで離党や議員辞職に追い込まれています。

鶴保事務所は文春記事に反論「事実に反する」

 本紙では鶴保・門両議院の事務所あてに、今回のことについて事実確認と見解を尋ねるFAXを送付。

鶴保議員の事務所からは、「事実に反するので、文春の編集部に抗議している」という回答がありました。

 回答によると、文春の記事では東京勤務の秘書が感染源であるかのように報じられているが、和歌山県のホームページでは「東京の陽性者の発症日は(会食をした1月8日の後である)1月12日であり、ほかの来店者からの感染が拡大したことは十分可能性が高い(カッコ内本紙)」としており、

また秘書の発症日は1月12日であり、記事中にある1月11日に陽性を確認したというのは事実ではないと反論。

本紙に対して「くれぐれも事実に反する記事を掲載し名誉毀損にあたるような報道にならぬよう細心の注意で報道に臨まれることをお願いします」と、回答に添えています。

 東京都のQ&Aによると、新型コロナウイルスの潜伏期間は1〜14日(多くは5日程度)。

また症状が明らかになる前から感染が広がる恐れがあるとして、症状がない場合でも、一般的な感染症対策や健康管理を心がけるよう呼びかけています(*1)。

「ふ〜ん。全然知りません」について、文春に抗議

 文春の記事では、鶴保議員は秘書の感染について「ふ〜ん。全然知りません。今、初めて聞きましたよ」と答えたとされていますが、これについて鶴保事務所は「そのような回答はしていない」とし、「記事に誤りがあるので、編集部に抗議をしている」と本紙に回答しています。

 また文春の記事では、秘書らは和歌山市内の和食居酒屋で二次会をしたとされていますが、これについても鶴保事務所は「事実ではありません」と回答。

ただし一次会と三次会については、場所について特に否定しませんでした。

議員からの見解はなし

 本紙ではほかにも、

・文春の記事では、取材に対し「1月8日の時点では、県内感染者数も軽減減少だった」と答えたとされていますが、県内では1月5日に17名/6日に19名/7日に22名/8日に16名の感染が確認されている。

・文春の記事では「(1月8日の時点では)自粛呼びかけもなかった」とお答えになっていますが、県のホームページでは、1月7日の時点ですでに「首都圏(1都3県)への往来は控える」ように呼びかけられている。

・文春の記事では「東京から自家用車で家族で移動」と報道されているが、仕事での移動ではなかったのか?

 といったことについて質問しましたが、これらの点については明確な回答はありませんでした。

また文春の記事では「知らない」と言っていたとされる鶴保議員にも、今回の報道を受けてコメントを求めましたが、こちらもありませんでした。

門議員の事務所、回答は1文だけ

 本紙では門議員の事務所に対しても、文春で報道された事実の確認と、門議員の見解を尋ねるFAXを送りましたが、回答は

「個人情報について事務所からの回答は差し控えさせていただきます。和歌山県の広報をご覧ください」との1文だけ。

門議員にもコメントを求めていましたが、回答はありませんでした。

文春の記事でも、門議員の事務所は取材に回答しなかったとされています。

 一部地域に緊急事態宣言が発令された1月。

それでなくても国民にさまざまな自粛が求められる中で発生した、国会議員と、国会議員の秘書による夜のハシゴ。

国会議員は離党や自粛に追い込まれましたが、国会議員の秘書については、議員が何も語らずに終わるということになりそうです。

*1 東京都「新型コロナウイルス感染症FAQ(よくある質問)」
www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/tosei/news/covid-19_faq2.html
参考=週刊文春2/4号(1月28日発行)
和歌山県公式サイト・トップページの1/7時点での Internet Archive
web.archive.org/web/20210107221752/https://www.pref.wakayama.lg.jp/index.html
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